性被害に遭って、妊娠が心配。緊急避妊ピルがほしいけれどお金がない・未成年だが親にも言いたくない

未成年女性の性被害の相談の例です。(兵庫県内の性被害についての相談や支援機関の紹介を行うNPO法人性暴力被害者支援センター・ひょうごに寄せられる相談・回答をもとに、地域や年齢など、個人を特定しないよう一般化してご紹介しています)

相談者:10代女性
相談内容:昨日の夜、SNSで知り合った相手と会って、そのまま車でホテルに連れて行かれて無理矢理セックスされた。帰りたいっていったら「ここまで来てそれはない」と急に顔つきが変わり、こわくなってされるがままになってしまった。警察に行くことは迷っている。ついて行った自分が悪いって言われそう・・・コンドームつけてなかったんで妊娠が心配だけど、アフターピルって結構高いらしいしお金ない。親には言いたくない。

ホテルに一緒に行くということが、セックスに同意したことにはなりません。
したくなかったのに、断れない状況の中で性交を強制されることは性暴力にあたります。
参考:男女共同参画局 性犯罪・性暴力とは | 内閣府男女共同参画局 (gender.go.jp)
NPO法人性暴力被害者支援センター・ひょうご 相談窓口担当者

未成年が性暴力や緊急避妊について相談・対応できる窓口

1.お金のない未成年が緊急避妊について相談したいとき

2.緊急避妊ピルを処方してくれる病院を探したい

このサイトの「支援機関一覧」で「体のケア」と「緊急避妊ピルを院内で処方できる医療機関」を絞り込んで相談してみましょう。
病院内に緊急避妊ピルを常備していない場合は、処方箋をもって薬局に行かなければならないので、このリストに出てくる病院やクリニックを受診する方がスムーズです。未成年であると保護者の同伴が必要と言われることもあります。事前に電話で緊急避妊ピルが必要であることを伝え、ピルの値段や院内処方であるか、未成年でも処方可能かについて確認しておいた方が良いです。その点でも、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに相談してアドバイスをもらっておいた方が安心です。

緊急避妊ピルは健康保険がきかない自費診療ですので、健康保険証を通じて病院に行ったことが保護者に伝わることはありませんが、身近に相談できる大人、例えば学校の先生や友達の母、親戚のおばさん、市役所の担当者などあなたを支えてくれそうな人がいると心強いでしょう。緊急避妊ピルはとても効果の高いお薬ですが、万が一妊娠してしまった場合は、あなたの体を守るためにできるだけ早く産婦人科を受診することが大切だからです。

緊急避妊ピル(アフターピル)
コンドームが破れた、レイプされたなど避妊のない性交後72時間以内であれば有効な緊急避妊ピルがあります。ノルレボR、ノルレボゲストレルRは保険がきかない自費診療となるため医療機関にもよりますが1-2万円程度かかります。ヤッペ法という従来からある中用量ピル(プラノバール)を転用する方法もあり、こちらは少し安価ですが、緊急避妊として認可されている薬剤ではありません。
72時間を過ぎた場合でも、医療機関では緊急避妊について相談にのることができます。
緊急避妊について – 日本産婦人科医会 (jaog.or.jp)

3.警察に相談したい

このサイトの「支援機関一覧」で「法的支援」にチェックを入れ、対応してくれる警察署を探します。性暴力の加害者を逮捕してほしい場合、被害のあった場所の警察署に被害届を出す必要があります。各警察署に行く前に兵庫県警察 性犯罪被害 110番で相談をしてアドバイスを受けたほうがよいかもしれません。

警察に相談し、被害届を出すことは、あなたが性被害だと感じているということの意思表示として公的に記録されます。親切な警察官であれば被害届が出ているかどうかは関係なく、緊急避妊ピルを処方してくれる医療機関を探してくれるかもしれません。警察に被害届を出すと医療費が公費で負担されることが多いです。
未成年の場合は警察から保護者へ連絡がいきますが、加害相手に住所や連絡先を知られている、ハダカの写真を撮られたなどストーカーや脅迫の心配があるときには、あなたの安全を守るために警察へ相談することを強く勧めます。