性暴力とは、性を手段にした暴力のことであり、「本人の意に反した性的な言動」と定義されます。「意に反する」というのは、被害者が「嫌だ」と言った時だけではなく、嫌だけれども断れない、逃げられない、応じざるを得ないといった状況も含みます。
性暴力とは必ずしも、直接身体や性器に接触する行為とは限りません。のぞきや下着を盗る、ポルノや性行為を見せる、性的な被写体として撮影する、露出した性器を見せる等の非接触型の性暴力もあります。皆の前で下着をおろす、服を脱がすといった性的いじめも性暴力です。
性暴力の被害者は女子だと思われがちですが、実際には男子も被害に遭います。加害者の性別も、被害者の異性とは限りません。性的いじめと考えれば分かりやすいように、性暴力は性を手段にした支配や攻撃ととらえることができます。
子ども間の性暴力は、年齢差や体格の違い等、加害者と被害者の間に発達や力の差があることがほとんどです。同じ年齢であっても、性差や学級内での地位の差等、子どもなりの力の差が存在します(「子どもへの性暴力その理解と支援」藤森和美・野坂祐子編)。
このサイトでは、13歳未満の子どもへの性的行為および13歳以上であっても上記のようなパワーバランスの差のもとに行われた、本人の望まない性的行為は性暴力であると定義します。
学校での性暴力被害対応の概要
学校での対応は程度にもよりますが、危機対応としては中級から上級の対応になります。
おこってしまってから慌ててマニュアルを使うようではほとんどうまくいきません。学校においては、日頃からの性教育とコミュニケーションスキルをベースにして被害を早期にキャッチする仕組みを作り、実際に事件が起こった際には危機対応と児童生徒への支援を両輪に、管理職がスピード感を持って対応していく必要があります。
WEBテキスト版
ページ下部からダウンロードできるPDF版「危機管理の手引き」の内容をWebページでご覧いただけます。
性暴力の定義と学校での性暴力被害対応の概要
学校で性暴力被害がおこった場合のタイムライン(学校全体の取り組み)
学校での性暴力を未然に防止するための教育、いつから、どのように?
学校での性暴力を早期発見するためにー「いじめアンケート」のサンプル
被害児童生徒への対応(総論・各論)
被害児童生徒の心のケア
性暴力被害者のトラウマ反応の例
性問題行動を起こす児童生徒への対応
性暴力加害・被害について、子どもへ聞き取りをする際のポイントとケースシートの例
学校での性暴力に関するFAQ、こんな時どうしたら?
└被害児童生徒が被害届を出したくない/他の機関には相談したくないという時には?
└加害児童生徒が認めないときの対応
└学校が被害児童生徒や保護者から 加害児童生徒の出席停止を求められたら?
└インターネット上の被害を相談されたら?
警察・性暴力被害者支援センターができること
弁護士ができること
学校で性暴力被害があった時のマスコミ対応
学校で性暴力被害があった時の連携先一覧(兵庫県)
学校関係者が読んでおくべき性暴力関連の文献・書籍/参考サイト
PDF版ダウンロード
「学校で性暴力被害がおこったら 被害・加害児童生徒が同じ学校に在籍している場合の危機対応手引き」
発行:2020年6月
発行元
国立研究開発法人科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)による「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築」研究開発領域で採択されたプロジェクト「トラウマへの気づきを高める“人―地域―社会”によるケアシステムの構築」の成果物です。教育関係者、医師(小児科、精神科、産婦人科)、福祉、警察、弁護士、NPOなど多領域の関係者で作成しました。
調査研究者:兵庫県立尼崎総合医療センター 田口奈緒
性暴力被害者支援のための活動サポートをお願いします
このウェブサイトを運営している「性暴力被害者支援センター・ひょうご」は、性暴力の被害者支援や予防的活動を行っています。上記の「危機管理の手引き」の配布や「バーチャル・ワンストップ支援センターひょうご」の運営にかかる費用等に充てさせていただきたく、お一人でも多くにご支援いただけると幸いです。
郵便振替の方は、一口千円より下記にお願いいたします。
振込先 郵便振替 00950-4-274165「性暴力被害者支援センター・ひょうご」