学校での性暴力未然防止のために小学校の低学年から必要な性教育とコミュニケーションスキルについての例を下記に挙げます。
基本となるのは、個人を尊重し、自分も他の人も大切な命であるということです。毎年、計画的に性教育の時間を設定しましょう。また、保護者にも以下の未然防止のための情報を発信していくことが大切です。
性教育のトピックの例
プライベートゾーン
下着をつけたときに隠れるところを、「プライベートゾーン(自分の大切な場所)」と呼び、他の人に見せたり触らせたりしないこと、また他の人のプライベートゾーンを見たり触ったりしてはいけないことを伝えます。
境界線
境界線というのは、自分と他の人を、また自分のものと他の人のものとを分けている線です。境界線を守ることは、みんなが安心・安全に暮らすために必要なことであると伝えます。
- 物理的な境界線例
人のものをかってにつかわない、ほかの人とはくっつかない - 心理的な境界線例
ないしょにしていることをかってにほかの人にいわない - 社会的な境界線(法律や規則)例
ものをぬすんだら、おまわりさんにつかまります など
いいタッチ、わるいタッチ
いいタッチ、わるいタッチがあることを伝えます。
- いいタッチ:うれしい、楽しい、安心、心が温かくなるタッチ
例あくしゅ、ハイタッチ、あたまをなでる、てをつなぐ、おかあさんのひざにすわる - わるいタッチ:痛い、怖い、悲しい、心が変な感じがするタッチ
例なぐる、ける、プライベートゾーンをさわる
自分を助けてくれる人
日常生活で、様々な人に助けられていることや自分も人を助けることができているかを振り返り、困った時に誰に相談したらいいかをふだんから決めておくことが大切と伝えます。
スマホとの付き合い方
使い方を誤るとトラブルを招くため、出会い系サイト等の危険性を伝え自分の画像(特に裸)は送らないなどの指導をします。これは情報モラル教育にも含まれる内容です。
性をめぐる人間関係
- それぞれの性の違いを認識し、お互いの考えや気持ちを尊重する
- 相手を従わせたり、嫌がることをしない
バーチャルワンストップ・支援センターを運営者である「性暴力被害者支援センター・ひょうご」では、性暴力被害を未然防止のための講義も承ります。お問い合わせフォームからご連絡ください。
WEBテキスト版
ページ下部からダウンロードできるPDF版「危機管理の手引き」の内容をWebページでご覧いただけます。
性暴力の定義と学校での性暴力被害対応の概要
学校で性暴力被害がおこった場合のタイムライン(学校全体の取り組み)
学校での性暴力を未然に防止するための教育、いつから、どのように?
学校での性暴力を早期発見するためにー「いじめアンケート」のサンプル
被害児童生徒への対応(総論・各論)
被害児童生徒の心のケア
性暴力被害者のトラウマ反応の例
性問題行動を起こす児童生徒への対応
性暴力加害・被害について、子どもへ聞き取りをする際のポイントとケースシートの例
学校での性暴力に関するFAQ、こんな時どうしたら?
└被害児童生徒が被害届を出したくない/他の機関には相談したくないという時には?
└加害児童生徒が認めないときの対応
└学校が被害児童生徒や保護者から 加害児童生徒の出席停止を求められたら?
└インターネット上の被害を相談されたら?
警察・性暴力被害者支援センターができること
弁護士ができること
学校で性暴力被害があった時のマスコミ対応
学校で性暴力被害があった時の連携先一覧(兵庫県)
学校関係者が読んでおくべき性暴力関連の文献・書籍/参考サイト
PDF版ダウンロード
「学校で性暴力被害がおこったら 被害・加害児童生徒が同じ学校に在籍している場合の危機対応手引き」
発行:2020年6月
発行元
国立研究開発法人科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)による「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築」研究開発領域で採択されたプロジェクト「トラウマへの気づきを高める“人―地域―社会”によるケアシステムの構築」の成果物です。教育関係者、医師(小児科、精神科、産婦人科)、福祉、警察、弁護士、NPOなど多領域の関係者で作成しました。
調査研究者:兵庫県立尼崎総合医療センター 田口奈緒
性暴力被害者支援のための活動サポートをお願いします
このウェブサイトを運営している「性暴力被害者支援センター・ひょうご」は、性暴力の被害者支援や予防的活動を行っています。上記の「危機管理の手引き」の配布や「バーチャル・ワンストップ支援センターひょうご」の運営にかかる費用等に充てさせていただきたく、お一人でも多くにご支援いただけると幸いです。
郵便振替の方は、一口千円より下記にお願いいたします。
振込先 郵便振替 00950-4-274165「性暴力被害者支援センター・ひょうご」